メールを情報を登録する際に「POP」とか「IMAP」という言葉が出てきます。両者とも受信サーバーという言葉でくくられているので、どう違うのかどっちを設定すればいいのかわからないといったご意見もあるかと思います。
ここでは二つの受信サーバーの違いについて説明した上でおすすめの使い分けについてお話したいと思います。
両者の違いの前に、eメールがどのようにしてお手元の端末(PC、スマホ)に届くかを簡単にご説明いたします。
記憶装置は二つ
相手から送付されたメール情報がサーバーに届きます。
そしてお手元の端末がサーバーにアクセスした際に、メールを見に行くという仕組みです。
「当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、サーバーにも記憶装置があり、また端末側にも記憶装置があるという 2つ記憶装置があることが両者を説明する際に重要になります。
また、サーバーのメール情報はある一定期間過ぎたり、容量を超えるとなくなってしまいます。よってサーバーのメール情報は永久には残らないことも留意が必要です。
POPとは
POPとは Post Office Protocol (ポストオフィスプロトコル)の頭文字をとっています。よく「POP3」とも書かれていることがありますが、この「3」はバージョン3を表しています。ということは1、2といったバージョンもあるのですが、今では3しか普及していないのでPOPとPOP3は同一のものと思って構いません。
POPの仕組み
POPサーバーの特徴は受信したメールを記憶装置に保持し、置かれたメールをダウンロードするように端末側がアクセスします。
この時、メールサーバーのメール情報は一定期間保持されていることが多いですが、別の端末からPOPでアクセスした際も同様にダウンロードされます。ということは端末がある限りずっとメールを閲覧できることになります。
但し、注意が必要なのは別々にアクセスした情報は同期しないので、例えば同じアカウントを使用して別の端末にアクセスし、一方の受信メールを削除しても一方受信メールは残ったままになります。
このことは送信メールにしても同様で、一方から送った際には一方の端末には送信済みメールには残りません。
IMAPとは
IMAPとは、Internet Message Access Protocol(インターネットメッセージアクセスプロトコル)の頭文字をとっています。こちらもPOP同様に受信メールというくくりになっていますが、POPとどうちがうのでしょうか?
IMAPの仕組み
IMAPはメールサーバーの内容を参照同期します。よって複数の端末は常に同じ受信メールを参照することになります。IMAPのメリットをまとめると以下のとおりです。
- メールサーバーを参照同期するため、IMAP上で削除したメールも同様に削除される。
- IMAPで送信したメールも送信済みメールで参照できる。
当然デメリットも存在します。
- メールサーバーの容量を超えた場合はメールは参照できない。(消えてしまう。)
- POPサーバーで送信したメールは参照できない。
POPとIMAPの比較
つまり、POPは受信メールとダウンロードする仕組みであり、IMAPはサーバーと同期する仕組みということになります。
POPは受信メールをダウンロードするため、長期に情報を残したい場合に役立ちます。またメールサーバーに何らかの障害が起こったとしても受信メールは手元に残っているため、安心してメールを閲覧できます。
一方IMAPはメールサーバーとの同期をする為、複数の端末で管理する場合に同じ情報を参照できるというメリットがあります。また、メールサーバーの容量を超えては同期しないため、ストレージの負担軽減にも役立ちます。
今回はPOPとIMAPの違いについてご説明いたしました。次回は両者の使い分けについて説明したいと思います。