不意に来るエラーメール、これから頻発するかも?
日頃メールを使用していると、英語で書かれたエラーメールがふと届いて、送ったはずの相手先に届いていないということがあるかと思います。「あー、アドレスが違っていた。」ということなら即解決といったところでしょうが、これまで見たことのないメッセージが届いて、何が原因かわからないといったことがあります。
特にこのいつもとは違うエラーメールが届いて、何が原因かわからないことが、ここ数年間かの間に増えていくかもしれませんので、その辺りについてお話できればと思います。
2つの主な原因
かなり大雑把な言い方をすれば、メールの不着の原因は二つあるように思います。一つはメールサーバーによる要因。もう一つはメールサーバーのIPアドレスが何らかの組織のブラックリストに掲載されているといった要因。この2点にあると思います。
メールサーバーの要因
メールサーバーの要因といっても様々なので、この誌面上では書ききれないですし、そもそもすべてを把握している方も多くないと思います(・・・わたくしもその一人です)。冒頭でお話したメールアドレス記載の不備などは、人的にミスではありますが、返ってくるエラーメールはサーバーに起因するものなので、かなり大雑把にいってこの部類に属するトラブルと考えています。(・・・私なりの解釈かもしれませんが)
エラーメールの内容は様々ですが、エラーコードを見れば大まかな原因はわかってきます。
エラーコード | 原因 |
#4.4.1~ | 送信先メールサーバが見つかりません。メールアドレスに誤りがある可能性があります。 |
#5.1.1~ | 送信先メールサーバに何らかの理由で拒否されました。メールアドレスに誤りがある可能性があります。 |
アドレスの不備によるエラーコードは上記の2点になると思いますが、大別すると頭の数字4がついた場合は自社メールサーバーが要因、頭の数字5がついた数字は相手先のメールサーバーの要因が考えられます。(他のエラーコードもおそらく同じように大別できると思います。)
アドレスの不備であれば、4付いたエラーであればドメイン、5であれば@マーク以前のどこかの不備と思っていいかもしれません。特に5と付いていれば相手のメールサーバーまでにメールは到達しているということを意味しているので少なくともドメインが原因ではないということは確実と考えてよいでしょう。
但し、相手先メールサーバーの設定でなんらかの受信拒否設定が要因というのも十分考えられますので、5が付いた場合はエラーコード以降のメッセージを管理者に見てもらうことをおすすめします。
ブラックリストによる要因
皆様の中には自メールアドレス宛に迷惑メールが頻繁に届いて困っているという方もいるかと思います。「こんなけしからんことをする奴は締め出してやれ!」と思う方もいるでしょう。そんな迷惑メール送信常習犯のメールサーバーはIPが特定され、様々な団体、組織によってブラックリスト化されています。これらを「RBL(Realtime Blackhole List、Realtime BlackList)」といって各団体・組織毎にリスト化して不正メール監視を行っています。
主な団体・組織としては以下があげられます。
- spamhaus(https://www.spamhaus.org/)
- spamcop(https://www.spamcop.net/)
- abuseat(https://www.abuseat.org/)
あと国内では barracuda社(https://www.barracudacentral.org/)のRBLを利用している法人様も多く見受けられます。(これは某大手O商会様がア〇〇〇メールで使用されているのが要因と思います。恥ずかしながらかつて弊社の利用してるサーバーもこれに引っ掛かり、1週間使用できないトラブルに見舞われました。)
メールの不着トラブルでやっかいなのはRBLに自社メールサーバーや取引先のメールサーバーが掲載されてしまうことにあります。
サーバー更新時にリスト掲載される?
「迷惑メールとか送信してないからブラックリスト化される訳がない」と思う方もいるかもしれませんが、最近ではオンプレミス(サーバー機器を自前で運用すること)での運用が減り、クラウドサービスが多くなったことでサーバーの更新をする際に、クラウド上で運用しているIPも含めて更新するといったケースも見受けられます。
こういった場合、これまで使用していたIPから新たなIPに変わったことによってブラックリストの運営団体の中には、これを「不明なIPアドレス」と認識し、ブラックリストに掲載するといったことがあります。
このことに気づかず、新しくサーバーを入れ替えて運用してしまうと、メールが届かないといったトラブルに見舞われることがあります。
RBLをどちらか一方でも設定していると
RBLを利用するにはメールサーバーの設定が必要になります。設定方法は使用するものによって変わってきますが、自社メールサーバーも相手先サーバーも同時にこの設定がされていなければ、この問題はほぼないと思ってよいでしょう。但し、どちらか一方が設定していればトラブルに見舞われる可能性があります。
ここで一番問題なのは、相手先がブラックリスト化されても不着になってしまうところにあります。少々長くなりそうなので次回 「これから頻発?メールが届かない!その原因はこれです。2」にて続きをお話したいと思います。