これから頻発?メールが届かない!その原因はこれです。2

前回「これから頻発?メールが届かない!その原因はこれです。1」の続きです。

ここで自社サーバーが設定した場合のトラブルと 相手先のサーバーに設定している際のトラブルの違いについて整理しておきたいと思います。

-Table of contents- 目次

自社サーバーがリストに掲載されてしまった場合(相手先サーバーが設定してる場合)

相手先サーバーにRBL設定されており、自社サーバーがブラックリストに掲載されてしまった場合は、RBLの団体から「お宅のサーバーがブラックリストが掲載されているので、メール送受信できないよ。」という趣旨のメールが自社メールか相手先メールに届きます。この時の対処方法としてはRBL団体から来るメールのURLリンクを辿って自社のIPアドレスを入力し、解除申請を申し出てブラックリストから掲載しないように要求するしか方法がありません。

解除申請は~1週間かかることも

この解除申請がすぐに受理されれば良いのですが、なかなか受理されないことがあります。長いと1週間くらいそういう状況が続くことがあります。そうすると相手先とのメールをすることも出来ず、ただただ待つしかありません。たまにやり取りするところであればよいですが頻繁にメールで連絡するところだと代替案が見つからずお手上げ状態といったこともあります。

何せRBL団体は海外の電話番号もわからない団体ですし、電話番号があったとしても日本語通じないですし、大げさに言ってちょっと絶望的な気持ちになります。

相手先サーバーがリストに掲載されてしまった場合(自社サーバーが設定してる場合)

自社がRBLに掲載された場合は、自ら解除申請という手続きを取るのでまだいい方かもしれません。一番やっかいなのは、自社サーバーにRBL設定されており、相手先サーバーがブラックリストに掲載されてしまった場合かもしれません。

相手先に解除申請をお願いできるかどうか

もし相手先のサーバーがRBLに掲載された場合の対処策も上記と同様に解除申請を申し出てブラックリストから掲載しないように要求するしか方法がありません。

しかし、RBLを設定しているのは自社の都合で自社サーバーに設定しているこちら側の問題です。相手先からすればなんでこっちが解除申請しなくてはならないんだ?といったことも理屈としてはその通りです。自社でなり替わって申請すればよいのでしょうが、メールアドレスなどを登録しなくてはならないケースもあり、RBLの団体によって対応は様々です。

サーバー設定を変える?

解除申請しない方法以外には、自社サーバーのRBLの設定をやめるといったこともありますが、自分のメールアドレスだけではなく、会社全体のメールのセキュリティに係ることですので、管理者の方に相談し対処方法を検討していただくしかありません。

また、共用メールサービスの場合はこの設定を外すといったことができない場合もありますので注意が必要です。

このようにRBLに掲載されただけでもやっかいな状況になることをおわかりいただけたでしょうか?

CentOs終了による衝撃

話は変わりますが、メールサーバーで使用するOSでシェアが高いのがCentOsです。このCentOsはLinuxベースの無償ディストリビューションとしてとても有名な世界的なOSなのですが、2020年12月に突如CentOs終了を宣言しました。

くわしいことは別の機会でお話したいと思っていますが、この告知によりWeb業界全体に衝撃が走りました。これまで使用してきたものが安定的に使用できなくなることで、これに替わる代替案を模索しなくてはならない状況が強制的に訪れること意味します。

2024年6月まで続くサーバーリプレース

具体的な方法はまだ業界全体で確立されていない状況ですが、当面は2024年6月までにはなんらかの代わる方針を立てなくてはならない状況になりました。
(2024年6月以降も使用はできますが、徐々にセキュリティに問題が露呈されていく可能性が大きくなります。)

特に最新のCentOS8に関しては今年中にサポートが切れてしまうので、全バージョンのCentOS7(サーポート期限:2024年6月10日まで)の当面の退避によりサーバーリプレースが散見されると思われます。

CentOS7への切り替えが終わっても次に2024年6月までにこれに替わるサーバーOSにリプレースする必要に迫られるため、当面サーバーリプレースが続くのではないかと思われます。

サーバーリプレースに伴うRBLの掲載トラブルが頻発?

前回でも述べたとおり、サーバーの更新をする際に、クラウド上で運用しているIPも含めて更新することによって「不明なIPアドレス」と認識されブラックリストに掲載されることがあります。

特に相手先のリプレース要因だと上記に述べたようなトラブルが想定されますので、とてもやっかいです。

相手先が大手の有名企業だから起こらないというあまり根拠のない理屈をおっしゃる方もいらっしゃいますが、弊社が遭遇した環境でも相手先が大手で大きなシステム子会社を所有している企業であっても相手先のリプレース要因よるRBL掲載トラブルに見舞われました。いくらITといえども設定するのは人間ですので、こういったことまで想定している場合は100%ではありません。

最低限の予備知識

2回にわたりメール不着トラブルについてお話してきましたが、不着の原因は様々です。メールでエラーメッセージが届いていないのに、受信メールボックスに届かないなどもトラブルとしては考えられます。こういった場合は迷惑メールフォルダーに入っていないか一度確認してみましょう。

RBLによる掲載トラブルの対処方法は限られますが、現在使用してる自社のメールサービスがどのような設定になっているかを事前に知っておくことはとても重要なことです。

特にサーバー管理を代行してもらっている場合などは、事前によく把握しておくことが重要と思います。

またこういったトラブルがあるということを知っておくだけでもいざ発生した時にパニックにならずに冷静な判断ができるのではないかと思います。

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